暫く寒い日が続いていましたが、今日の東京はポカポカとした穏やかな日でした。小春日和は「小春の暖かな日和」であり、小春は辞書によると陰暦10月ですから、小春日和と言うには早過ぎるでしょう。しかし小春日和の語源は徒然草の第155段の下の部分らしいのですが、これを読むと本当の小春日和とは何を指すのか混乱してしまいます。
『春暮れて後、夏になり、夏果てて、秋の来るにはあらず。春はやがて夏の気を催し、夏よりすでに秋は通ひ、秋はすなはち寒くなり、十月は小春の天気、草も青くなり、梅も蕾みぬ。木の葉の落つるも、先づ落ちて芽ぐむにはあらず、下より萌(きざ)しつはるに堪へずして落つるなり。』
これを読むと、小春日和は春の兆しを感じさせる天気であり、新芽が出掛けていて、梅の蕾も膨らんでいるようです。春と言えば正月のことを指す筈ですから、小春日和とは旧暦の正月の直前、今で言えば1月の終わりか2月の頭の暖かい日ということでしょうか?しかし吉田兼好はハッキリと『十月』と書いています。何か解せませんね。しかし11月の暖かい日を小春日和と呼ぶよりも、2月の頭の暖かい日を小春日和と呼ぶ方が、遙かにしっくりと来ます。いずれにしろ今日は小春日和には当たらない訳ですが、穏やかないい一日でした。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。