ハシゴするという行為があります。私もたまにハシゴします。飲み屋のハシゴが一般的ですが、この場合段々だらしなくなっていくので、味が落ちていくという感覚は滅多にありません。ただ単により酔っぱらっていくだけです。食い物屋のハシゴは、或る友人に付き合ってたまにするのですが、これは大食漢ではない私には、ただ単によりお腹が膨れていくだけです。しかし最近ハシゴの新しい発見がありました。友人と鮨屋に行き、其処は美味しい鮨屋ではあったのですが、イタズラ心から急にハシゴをする気になり、一晩のうちに、鮨屋からもう一軒の鮨屋にハシゴしました。これが中々オツなものでした。鮨の味はこれほど違うものなのか。タネに限らず、仕事の仕方、御飯粒の味、雰囲気。鮨屋全体で創られる食い手とのコミュニケーションが、その内容も方法も全く違うのです。やはり次は蕎麦屋のハシゴをしてみなくてはならないと思っている次第です。