どんなものにも行き過ぎはあります。最近でそう思ったのは携帯電話です。データ通信がどんどん速くなる、機能は満載、写真が撮れる、音楽が聴ける、更にはビデオが撮れる。しかし同時に重くなっていきます。機能・性能の増強と引き替えに、どこまで軽さを諦められるか。そんなせめぎ合いがあって然るべきですが、ドコモショップに行って現行モデルのカタログを見てびっくりしました。カメラの付いてないモデルが殆どない。折り畳み式でないものが基本的に1機しかない。殆どの機種が一時は70グラム程度を標榜していたのに、今では殆どの機種が100グラム以上です。ちょっとこれは行き過ぎではないでしょうか?或いはこれもファッションの変遷と一緒で、新たな需要を次から次に創っていく為に、焼き畑農業のように、或る供給を綺麗サッパリ一旦止めて、またいずれ供給開始するという作戦なのでしょうか。私の場合は、分かっているつもりなのですが、電機メーカーのこの作戦には常に相当高い確率で嵌ってしまいます。まぁそれが心地いいのですが・・・。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。