石原都知事は亀井自民党総裁候補の応援演説の中で、北朝鮮との交渉をしてきた外務審議官の自宅で不審物が発見されたことにつき、「爆弾を仕掛けられて当たり前だ」との発言をした。それに対して小泉首相は、「爆弾を仕掛けられた方は悪くない。仕掛けた方が悪いんだ。」と不快感を露わにした。
こともあろうに9・11の前日にテロを容認するような石原発言は、とんでもないことだと思う。百歩譲って、テロ、北朝鮮外交云々を横に置くとしても、やはり私はこの発言は重要な問題を孕んでいると思う。仮にも石原氏は東京都知事である。彼が言ったことは、仮に国政に関する応援演説の文脈の中であるとは言え、石原氏が個人的に悪いと思う人間の家には、それが彼の治める東京都内であっても、爆弾が仕掛けられても構わない、ということではないか。それが国政であれ都政であれ、『治安』はもっとも重要な政治の機能の筈である。石原都知事の都内の治安を省みない、都内の治安を法の規律を以てせず個人的な評価如何でないがしろにしようとする発言には、落胆を通り越して、怒りと恐怖を覚えた。