出張で、また大阪に来ています。「また」というのは、やはり出張先は大阪がダントツで多いからです。しかし不思議なことに大阪の街はいつまで経っても頭に入りません。日本全国色々な所に出張で出掛けますが、大抵一回行くと凡その町並みというか、町の構成や流れ、更には匂いのようなものが把握できます。少なくとも或る程度は分かった気になります。しかし大阪は何回来てもそれが分からないのです。大きすぎるからでしょうか?その可能性は高いと思います。しかしニューヨークやロンドン、パリでも、まだもっと流れが分かる気がします。他の町に比べて当然私の回りにも地元(大阪)出身者が多いので、そういう人達に頼ってしまって自分の目、耳、鼻で捉えようと努力しないのでいつまでも分からないのでしょうか?これはありそうです。しかし町によっては、地元の人がいると余計に町を把握できるのが通常です。様々な人が集まった大都市なので、地方の都市に比べると独自の特徴が少ないのでしょうか?これはそうとも思えません。日本に限らず世界のどこを見ても、複合大都市だから特徴がないということはないと思います。私の肌に合わないのでしょうか?これはないでしょう。先物発祥の地・大阪は、どこかで必ず私が好きな部分が強くある筈です。或る意味で私は江戸っ子なので、大阪は対極にあるからでしょうか?これは先入観であり、或る特定の都市と都市が対峙するなんて、会津と長州じゃあるまいし、今時あり得ないでしょう。こう考えると、結局理由が分からないのです。今日もまだこれから仕事で大阪の街を観察できます。今日こそは答えのきっかけを探せたらと思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。