ジョン・メリウェザー、仲間内での通称はJM、債券界の、少なくとも私にとってのスーパースターです。彼は債券トレーディングの世界に、ロケットサイエンティストによる金融数理・金融工学を持ち込み、アービトラージ(裁定取引)を始め、莫大な利益をソロモンにもたらしました。その後自らLTCMというヘッジファンドを興すと、世界中のスーパートレーダーや(のちの)ノーベル経済学賞受賞者がこぞって参加し、世界中でもてはやされ、ファンドも年率40%というような勢いで儲かっていきました。しかし98年夏にロシア危機に嵌り、一気にファンドは崩壊し、36億ドルに及ぶ緊急協調融資を受け、ファンドは融資団の監視下に置かれました。しかしファンドは1年ちょっとで借金の全てを返済し(!)、LTCMは解散し、99年12月、JMはまた新たなファンドを興しました。その後JMは様々な批判を受けてきました。かつてちやほやしたマスコミなどが、「何でまたファンドをするんだ、不謹慎だ」とか「世のファンドが好調にお金を集める中で、JMのファンドだけは、その信頼の低さから、お金が全然集まらない」などなど。しかしJMは言い訳もせず、毅然とした態度で、きちんとしたファンドの運用を続け、低く抑えたリスクで、手数料を差し引いた後で年率10%程度のリターンを安定して実現し、ファンドの規模もそろそろ10億ドルに達しようとしています。私はJMをトレーダーとしても、ビジネスマンとしても、一人の人間としても、心底尊敬しています。私は債券のイロハを、JMとその影響を受けた人たちから教わりました。今回、個人向け国債に加えて豪ドル建て世銀債という形で、また債券ビジネスに関わることになり、どこか気持ちがウキウキします。私は一種の金融バカです。株式であれ、債券であれ、円債であれ、外債であれ、或いはスワップ、オプションの類まで、金融商品と名の付くものであればほぼ全てのトレーディングやリスク管理に携わってきました。しかし、その全ての基礎は、JM組から教わった債券数理にあります。JMは日本に来るたびに、いつもオフィスに立ち寄ってくれます。一昨日も寄ってくれ、日本の状況や、世界のマーケットについて語り合いました。一番興味深かったのは、アメリカ経済についてです。減税、財政支出、利下げ、ドル安容認などアメリカ政府、連銀はあらゆる手を使って景気を支えようとしている。そして、株価は上がり、企業の信用スプレッドも縮まっている。これから1〜1.5年の間に、アメリカ経済が2%以下の成長しか達成できないと、世界中が大きな、そして長いデフレの波に飲み込まれていくだろう。逆に4%の経済成長が達成できれば、世界中が安定した成長軌道に戻るだろうと、言ってました。
今回JMはマネックスのお客様に素晴らしいプレゼントを残してくれました。「To A Special Monex Client」と株本にサインをしてくれたので、以下のアンケートに答えてくれた方の中から抽選で一名の方に差し上げます。(このプレゼントは、当メールの終わりにある増刊号プレゼントコーナーとは別のものです)
締切り:2003年6月27日(金)深夜12時までにマネックスにメール必着でこちらへメールでご応募下さい→ ans1@monex.co.jp (増刊号プレゼントコーナーとはメールアドレスが違います)
Eメールへの記入事項
1.顧客口座番号とお名前(メンバーの方に限定させて頂きます)
2.債券の裁定取引が組み込まれたファンドに興味がある・ない
3.世界的優良ファンドであれば、最低購入単位が仮にXドルでも興味がある(Xの最大値をご記入下さい)
当選者にはマネックスよりEメールで直接ご連絡いたします。
ご連絡してお返事が無い場合は別の方にプレゼントする場合もございますのでご了承ください。