2002年末の日本の対外純資産残高は約175兆円で、前年比で僅かに減ったものの、諸外国に較べると圧倒的に大きく、12年間連続で世界最大の債権国となりました。世界最大の債務国は御存知アメリカ合衆国で、ざっと日本の倍額の純債務(プラスとマイナスが逆です)があります。世界第2位の債権国はスイスで、額は大体日本の4分の1。日本は、それほど図抜けた額の対外純資産を持っている訳です。
さて、このことにはどのような意味があるでしょうか?人は心配事があると、手元にお金を置きたくなるものです。先日(5月22日)のつぶやきにも書いた通り、この傾向は日本人には顕著だと思われます。いざという時に日本に帰ってくる資産が、海外に膨大に存在しています。そして資産が日本に帰ってくる時は、当然外貨を売って円を買う、いわゆる円転をします。これは大きな円高要因になります。日本が現在の実力に見合わず、なかなか円安にならない1つの大きな原因はここにあると思っています。