週末に街なかを歩いていると、辺りは既に花で溢れていることに気付きました。本当は月曜日につぶやきたかったのですが、イラク情勢のために先延ばしになりました。週末に花々を発見した時は新鮮な驚きで、若々しい成長点を見たように感じたのですが、この2−3日の間に既にその瑞々しさは失われてきたように感じてしまいます。
毎年、毎年、沈丁花の匂いが鼻を衝くとハッとし、花の在りかを探し、鼻を近付けて嗅ぎます。それから回りを見回すと、知らない内にこぶしの枝につぼみが膨らんできていたり、レンギョウもちらほらと咲き始めていて、椿の花は既に落ちようとしているのを発見します。民家の軒先には、パンジーなどの鉢植えが咲き乱れていて、種類は詳しく知りませんが、早咲きの桜も所々咲いています。早咲きの桜は桃に近い濃い色をしていると思うのですが、それは気のせいでしょうか。この頃、私は皇居乾門から半蔵門に向かう代官町通りが大好きです。ほんのちょっとの桃色、土手の向こうに見える桜色、たくさんの、そして小ぶりで上品な白色、咲き乱れる山吹色。通常の花見とは違った趣があります。しかし何故いつも気が付いた時には既に花は溢れているのでしょう。スプリング・ハズ・カム。英語でも完了形です。すーっと知らないうちに迫ってきてバァーっと出る。心地良い驚きに充ちた春先は、一年の中で最も好きな季節です。