一昨日の木村さんに続いて昨晩は現役のトレーダーの方を2名お呼びして当社のお客様のために勉強会を催しました。実際に大きなリスク・キャピタルを使い、多額の利益を出した長年の経験があり、かつ現役のトレーダーとして活躍している人の話を直接聞ける機会というのは、手前味噌になりますが、滅多にないものです。
内容は若干難しかったり、個人投資家の方のトレーディングには関係ないように思えることもあったかも知れませんが、実に様々な含蓄に富んだものであったと思います。もっとも印象的であったのは、トレーディングは10回すると、回数的には8勝2敗ぐらいだが、それが必ずしも全体の損益としてプラスになるとは限らない、だからこそストップロス(予め許容損失額を決めておいて、その水準でポジションを手仕舞うこと)が重要なのだ、とのことでした。要は8割の回数勝ったら実際に損益もプラスにするためには、1回1回のロス幅を1回1回の儲け幅との比較でコントロールしなければいけないということです。私自身長年トレーディングをしてきましたから、そんなことは百も承知なのですが、やはり改めて現役の方に断言されると新鮮なものがありました(因みに当社は、信用取引において新規建て時にストップロス注文が設定できる唯一のオンライン証券です)。温故知新。トレーディングは古くて新しいものです。これからもお客様に有益な勉強会を催して、私自身も勉強したいと思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。