中学・高校の同級生がナノテクの研究をしていることは以前にもつぶやきました。彼は大学助教授として研究しつつ、ナノテクのベンチャーも経営しているのですが、大学の研究室を訪問してみてビックリしました。
ナノの世界の精巧な薄膜を作っているのですが、研究室は隙間風も入るような所でしかも土足。実験用の製造機器も、埃も入り放題のいかにも安そうな代物なのです。そしてそこで作られる薄膜を何億円もする測定装置で評価すると、何億円もする製造機器で作ったのと同等の精巧さであるとのこと。高価な評価装置も見せてもらったのですが、そのギャップを見て驚きというか、興奮を覚えました。発想の転換による飛躍は凄まじいものがあります。英語で言うところのクォンタム・リープでしょうか。彼と会うといつも自分までが誇らしく思えるのですが、またしても感心したのでした。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。