昨晩、当社主催で藤巻健史さんによる勉強会を行いました。東京は雪が降りそうな寒い晩だったのですが200人近いお客様が集まられ、たっぷり2時間、藤巻さんの講義と、藤巻さんに対する私からの質問と回答、お客様からの御質問という内容で進めさせて頂きました。
私からの質問は、敢えて藤巻さんの見解に対してチャレンジするようなものにしたのですが、藤巻さんの対応に「あぁやっぱりトレーダーだぁ」と思いました。藤巻さんはそもそも冒頭に「私はトレーダーであってエコノミストではないので、あくまで自分のビューであって偏っています」と宣言されたのでとても御立派だと思いますが、私の質問に対しても、注意深く聞き入りながらも、頑なに自説を維持しようとされているようでした。私にも覚えがあります。自説と違う論は聞くがそのままは取り入れない。しかし気になるものは気になる。そして場合によっては微妙に自説を微調整し、更に場合によっては突然コペルニクス転回をするが、回りには何事もなかったような顔をしている。藤巻さんが同様であられるかは知りません。先輩トレーダーを評論するのは甚だ僭越ですが、やはりトレーダーに共通する頑固さと神経質さを垣間見た気がしました。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。