アメリカの戦費負担が気になります。
数年前にプライマリー・バランスを果たしたにも拘らず、2001年10月から2002年9月までの会計年度では19兆円程度の赤字となり、昨年10月−12月の3ヶ月間の財政赤字幅は、既に13兆円程度にまで膨れています。もちろん軍関係費だけが原因ではありませんが、それが最大の要因であることは明らかです。正義と平和の為の支出ですが、そのスピードが気になります。「自国だけでも戦う」という態度が、余計に不安にさせます。いずれ奉加帳のように戦費負担のお鉢が回ってくるのでしょうか。回ってきても大変ですし、回ってこなくてアメリカが大きな経済問題を抱えてしまっても、それはそれで困ります。戦争が経済に直接及ぼす影響も気になりますが、コスト負担の決定プロセスとその影響もとても気になります。ドルの値動きを見ていると、様々な思惑と解釈が織り込まれている気がして、思索は尽きません。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。