毎年忠臣蔵はテレビで見るのですが、今年は見損ねました。忙しくてゆっくりテレビを眺める時間がなかったのですが、そもそも放映されたかどうかもよく知りません。
赤穂浪士が吉良家に討ち入りしたのは12月14日の夜から翌朝にかけてですが、旧暦ですから今でいうと1月の半ばでしょうか。そう考えるとあの雪景色も納得がいきます。大石内蔵助が本当に強い意志で敵を欺くために一年以上京都で遊んだふりをしていたのか、仇を取るだろうという強いプレッシャーに堪えられずに飲んだくれていたら、成り行き上やはり討ち入りをしなければいけなくなったのか、真実はもう誰も知りません。そもそも元禄時代の幕府といったら強力な警察力を誇っていたでしょうから、討ち入りを抑えようとしたら出来た筈であって、全てが武士道とか道徳感を流布するための幕府の脚本だったようにも思われます。しかし忠臣蔵は忠臣蔵であり、今私が書いたような説は口に出すこともおこがましいことだったのでしょう。そこに我が国の多様性のなさというか、いきおい全体主義的になり兼ねない危険性を感じます。でもやっぱり見たくなりますね!
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
-
ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。