今週3回目のトレーディング絡みの話です。かつて、何年間もトレーダーをしていて学んだことは、「マーケットは常に自分よりも大きい」ということです。自分が思うのと反対にマーケットが動いた時は、決してマーケットが間違っていると思ってはいけません。まず、自分が知らない何かがある、或いは自分の考え方のどこかが間違っている、と思わなければいけません。
全ての情報は、マーケット、即ち自分以外の全員が知っていると思わなければいけません。インサイダー情報でもない限り、「A社とB社の財務指標等を見るとA社の株は割安だからAを買い建ててBを売り建てよう」などと考えてはいけません。全ての情報は自分が見る前に他の人が見ていて、既に全て株価に織り込まれていると考えるべきです。勿論マーケット(多数)が間違える時もあります。自分だけの解釈が正しいこともあります。しかしそれは極めて稀であると思わなければいけません。そしてそのような全体の期待と違うことをその会社が行った時に株価は大きく動きます。つまりマーケットの期待との乖離がマーケットを動かします。マーケットは全てを知っている筈だと肝に銘じながら、それでもまだ気付かれていないと思われる点を臆病に見つけること、マーケットの期待を、いい意味でも悪い意味でも裏切る行為をやはり臆病に見つけること、そういった態度がトレーダーには必要だと思います。
(今週日曜日のマネックス・フォーラムin金沢、上方の資産設計情報に案内があります)