先日、休みの日に、久し振りに図書館に行ってみました。つぶやきの読者の方からある御指摘を受けて、記述について間違いがあったかも知れないのでいろいろと調べものをしていたのです。
通常は大概のことはインターネットで調べると簡単に答えが分かりますが、どういう訳かこの件については、簡単なことだったのですが、インターネットで調べてもどうしても答えが見つかりませんでした。ふらっと図書館に行き、古い新聞の記事をマイクロフィルムで読んだり、本棚をあちらこちらと眺めて、関係のありそうな本を見つけて開いてみたり、そうこうしているうちに思いがけない本の中に答えを発見しました。図書館はこのように、曖昧な検索をするのにとても役立ちます。勿論全ての書籍の内容が、デジタル情報として完全にアーカイブされていれば、一発でインターネット上でも答えが見つけられる筈なのですが、実際にはそのようなことは決して完了しないでしょう。また、デジタルであれば安全で、紙だと保存が不安であるというのも、実はとても短絡的な考えで、実際には紙は数千年残った記録がありますが、デジタルは未だにせいぜい十年程度が保存された実績でしょう。数十年後の図書館は一体どのような形になっているのか、とても気になります。いつの時代にも優秀なライブラリアン、語り部というか情報をバランス良く取捨選択して保存する努力は、とても重要なものであると感じました。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。