近頃気になる言葉があります。「印刷」です。社内で会社説明会用の資料などを100部とかコピー機で作る時に、「明日の朝早く来て印刷します」などと若い人(私も若いですが、更に若い人)が言います。「え?印刷するの?コピーだろ?」と言うと、「はい、だから印刷です」と答えます。私はとても違和感を覚えます。印刷というのは写植であれ活字であれ、何枚でも大量に刷れる元となる「版」を作った上で複製を作る、といった意味だと理解しているので、版画は印刷であっても、毎回毎回レンズが行き来して一枚一枚刷っていくコピー機による複製は、印刷ではなく、あくまでもコピーだと私は思ってしまいます。何故みんな印刷と言うようになったか考えてみました。恐らくパソコン上のワープロやプレゼンテーション作成アプリケーション(パワーポイントなど)の普及のせいではないでしょうか?英語の「PRINT」が「印刷」と訳されていて、そこから微妙な日本語の語感が崩れていっているのではないでしょうか?まぁ、大野晋さんによると、言語は生きていてどんどん移り変わっていくものだそうですから、これはこれでいいのでしょうか?