昨日の夕方に札幌に着き、昨晩から今日までに用事を6つ済ませて、今(午後6時)帰京のため千歳空港に向かっています。北海道というと最初の都銀破綻などがあったので、不良債権問題の直撃を受けて低迷する日本経済の象徴のように言われることがありますが、実際の街はそんな様子は殆どありません。街路も綺麗ですし、清潔で、モラルが低下している風でもなく、混雑はしていませんがそれなりに賑やかで、車窓から見える風景もなんら問題を感じません。これは世界のいろいろな国の評論家が、日本は不良債権問題が大問題で日本経済は危機にある、などと言っても、いざその人達が東京に来ると、街並みは綺麗だし、清潔で、安全で、街は完全に機能しており、誰も豊かそうで高級ブランド品を身に付け、当の評論家氏よりも多くの貯蓄があったりするのと似ています。要は実力と認識に大きなギャップがある訳です。中国は7%の経済成長を誇っていますが、中国の4大銀行の不良債権額は総資産の25%にもなるという話も最近聞きました。実力はまだまだ大変高いのに、それよりもずっと低く評価され、誇りと自信を失い、そしてその結果実力も次第に落ちて行く。この悪循環を早く断ち切れないものでしょうか。責任回避や足の引っ張り合いは止めて、建設的な動きを創って行かなくてはいけないと思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。