いよいよこの週末にW杯の決勝戦があります。ブラジルとドイツは初対決らしいですが、きっと感動的な試合を見せてくれることでしょう。W杯はどうも国対国という構図が強力で、応援の仕方もゲームと言うよりも「戦い」に対するもののようです。これは単に国別対抗であるだけでなく、サッカーという競技自体にも原因があるのかも知れません。
サッカーの起源は諸説紛々ですが、11世紀にノルマン人に支配されていたイギリスで、裏通りに転がっていたノルマン兵の頭蓋骨を支配されていたイギリス人が蹴ったのが始まりという説もあります。悔しくなると「コン畜生!」と言って石ころとかを蹴ることがありますが、「蹴る」という行為はどこか憎しみが表現されています。
一方ラグビーは、やはりイギリスで、サッカーの試合中に興奮した少年がボールを持って敵陣めがけて走り出したのが始まりだというのが定説ですが、逆に元来のサッカーは今のラグビーに近く、手を使えなくしたのがサッカーであって、サッカーがラグビーから生まれたという説もあるようです。なんだかややこしいですね。しかしラグビーはサッカーよりもある意味でずっと平和的だと思います。「蹴飛ばす」対「落とさないように抱える」。「頭蓋骨の形」対「大きな卵のような形」。「前に蹴る」対「後ろに投げる」。「正確にはねる」対「どっちに転がるか分からない」。要素で較べてみると、サッカーの方がずっと攻撃的で、ラグビーの方が女性的、詩的な感じがしますが、実際のプレイヤーの容姿は全くその反対なのもおかしいですね。