いよいよこの週末にW杯の決勝戦があります。ブラジルとドイツは初対決らしいですが、きっと感動的な試合を見せてくれることでしょう。W杯はどうも国対国という構図が強力で、応援の仕方もゲームと言うよりも「戦い」に対するもののようです。これは単に国別対抗であるだけでなく、サッカーという競技自体にも原因があるのかも知れません。
サッカーの起源は諸説紛々ですが、11世紀にノルマン人に支配されていたイギリスで、裏通りに転がっていたノルマン兵の頭蓋骨を支配されていたイギリス人が蹴ったのが始まりという説もあります。悔しくなると「コン畜生!」と言って石ころとかを蹴ることがありますが、「蹴る」という行為はどこか憎しみが表現されています。
一方ラグビーは、やはりイギリスで、サッカーの試合中に興奮した少年がボールを持って敵陣めがけて走り出したのが始まりだというのが定説ですが、逆に元来のサッカーは今のラグビーに近く、手を使えなくしたのがサッカーであって、サッカーがラグビーから生まれたという説もあるようです。なんだかややこしいですね。しかしラグビーはサッカーよりもある意味でずっと平和的だと思います。「蹴飛ばす」対「落とさないように抱える」。「頭蓋骨の形」対「大きな卵のような形」。「前に蹴る」対「後ろに投げる」。「正確にはねる」対「どっちに転がるか分からない」。要素で較べてみると、サッカーの方がずっと攻撃的で、ラグビーの方が女性的、詩的な感じがしますが、実際のプレイヤーの容姿は全くその反対なのもおかしいですね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。