ふと立ち寄った本屋に、寺山修司の「書を捨てよ、町へ出よう」の文庫本があったので何気なく買いました。昔、萩原朔太郎などの詩を貪り読んでいた頃、寺山修司の本も何冊か読んだことがあります。その頃を懐かしく思い、前にも読んだことのあるこの本を買いました。読んでみるとメチャクチャ面白い。痛快この上ない。私がかつて読んだのは、多分高校生の頃だったでしょう。あの頃はそんなに痛快とも思わなかったのに今はそう思うのは、あの頃の私には彼の考え方など当たり前で、大して刺激にならなかったのかも知れません。それだけ私も年を取ったということでしょう。寺山修司は昭和10年生まれ。かつては彼の主張に共鳴した同年代の人達も、今は寺山的思想に攻撃される標的でしょう。旧体制に挑戦するということは、即ち自らが老いていくことに対する挑戦なのかも知れません。