ふと立ち寄った本屋に、寺山修司の「書を捨てよ、町へ出よう」の文庫本があったので何気なく買いました。昔、萩原朔太郎などの詩を貪り読んでいた頃、寺山修司の本も何冊か読んだことがあります。その頃を懐かしく思い、前にも読んだことのあるこの本を買いました。読んでみるとメチャクチャ面白い。痛快この上ない。私がかつて読んだのは、多分高校生の頃だったでしょう。あの頃はそんなに痛快とも思わなかったのに今はそう思うのは、あの頃の私には彼の考え方など当たり前で、大して刺激にならなかったのかも知れません。それだけ私も年を取ったということでしょう。寺山修司は昭和10年生まれ。かつては彼の主張に共鳴した同年代の人達も、今は寺山的思想に攻撃される標的でしょう。旧体制に挑戦するということは、即ち自らが老いていくことに対する挑戦なのかも知れません。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。