最近雨が多いと思ったら、すっかり梅雨入りしていました。梅雨は古今集の頃には五月雨(さみだれ)と言うのが一般的だったようですが、旧暦5月(今の6月)頃の長雨のことです。源氏物語の「雨夜の品定め」も五月雨の頃ですし、古今集でも「五月雨」と来ると一人静かに夜更けに恋人を想う歌ばかりで、五月雨と異性を想う心はどうやらセットだったようです。五月雨は田植えのタイミングであり、農耕民族にとっては極めて重要な時期で、その間は田の神を迎えるために物忌みをしました。男女の関係を慎むことは物忌みの代表的な方法であったので、要は恋人に会えないので恋心が募ったようです。結婚も5月には控える習慣があったそうですが、ジューン・ブライド(6月の花嫁)はその反動でしょうか?