世はワールドカップで大騒ぎですが、サッカーと理論科学の間には不思議な因縁があるようです。そもそもサッカーボールの形ですが、12枚の正五角形と20枚の正六角形が張り合わせてあり60個の角がありますが、これは炭素原子が60個集まって出来ている「バッキーボールC60」と言われる構造と同じであり、この分子構造を発見したクロート、カール、スモーリーの3氏は1996年のノーベル化学賞を受賞しています。この構造は極めて硬くて壊れにくい構造だそうです。理論物理界の大天才、ボーアとアインシュタインは同時代の人ですが(ボーアは1922年、アインシュタインは1921年にノーベル物理賞を受賞しています)、ボーアは有名なサッカー選手だったそうですし、アインシュタインも「学生時代には英語や歴史の授業中にサッカーをしていたので数学と物理しかできなくなった」などと冗談を言っているようです。確かにほぼ同じ入射角・反射角で跳ね返ったり、流体力学の理屈通りに球が空中で曲がるサッカーは、自然科学に馴染むのかも知れません。その時その時でどっちに転がるか分からないラグビーボールを追っかける人達は、どちらかというと文学の方が向くのでしょうか?
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。