ファイナンシャル・タイムズ紙に面白い広告が載っていました。マケドニア共和国の、いわば通産省からの囲み広告です。マケドニアというと、バルカン半島のギリシャの隣り、1991年にユーゴスラビアから独立した国です。広告は2つあり、1つは首都スコピエに建設中の「ワールド・トレード・センター」というオフィス・ビルの売出し、もう1つは国内の各地域に於ける自動車道路網の建設・運営権の売出しです。それぞれ購入を申し出るための条件とか方法が具体的に書かれており、コンタクト先として通産大臣の名前が書かれています。恐らく真剣に、ファイナンシャル・タイムズ紙を通して世界中の投資家や事業者に対して、マケドニアに参入する興味を促そうとしているのでしょう。詳しい事情は知りませんが、多分若い指導者達があの手この手で国を造っていこうとしているのでしょう。興味深いですね。ある意味で面白く、ある意味で国を何とか変えていこうとする国民の本当の真剣さを感じます。こういうダイナミズムが我が国にもあるといいのですけどね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。