私はほぼ毎昼そばを食べ、夜もできれば毎晩寿司が食べたいという、厳格なそば・寿司党なのですが、日本中どこにでもあるこの2大飲食店を観察すると中々面白いことに気付きます。そば屋はどこも比較的建物が大きかったり新しかったり、何となく経営が安定しているように見受けられますが、寿司屋は人気の高さにも拘わらず、閉店していく店もたまにありますし、どこか不安定な感じがします。
これはそばは季節や天候に限らず常に需要があるのに対して、寿司はやはりその日の天候や、河岸の水揚げが客足に影響を与えるのでしょうか?もう一つ気付くことはそば屋は決して隣り合わせに建っていませんが、寿司屋はたまに通りを挟んで建っていたり、数件隣りに建っていることもあります。要は出店のコントロールがそば屋にはあり、寿司屋にはないように見えるのです。ギルドというか同業者の協会なりの力の違いなのでしょうか、このことも経営や安定感に影響を与えているように見えます。こんなことを考えながら街を歩いたりするのですが、これは東京に限ったことなのかも知れません。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、その後代表執行役会長。2025年4月より会長(現任)。東京証券取引所の社外取締役を5年間務め、政府のガバナンス改革会議等に参加し、日本の資本市場の改善・改革に積極的に取り組んで来た。ヒューマン・ライツ・ウォッチの副会長を務め、現在は米国マスターカード・インコーポレイテッドの社外取締役。東京大学法学部卒業。