連日の国会議員の醜聞には辟易としますが、いつまで経っても構造改革が進まないのにはもっと参ります。もっとも構造改革が必要なのは国会であることはまず間違いないでしょう。一国民からみると「隗より始めよ」とはまさに国会全体のことのように思えます。一票の重さが違憲状態にあると最高裁が判断しているのに、その状態が是正されないというのも法治国家としては恥ずかしい限りです。
そこで考えたのですが、今の定数で一票の重さをバランスさせようとするといろいろと技術的にも政治的にも難しいのでしょうから、票の重さが調整できるようにいっそのこと定数を倍増したらどうでしょうか。そうすると新しい議席を目指して若い人とか、ビジネスマンとか、いろいろな人が国会に行こうとし、実際大勢が当選するでしょう。自民党の代議士の数が2倍になって、その増えた人達の平均年令が40才ぐらいで、政治家としての経験が殆ど皆なかったら、流石に政治も変わっていくのではないでしょうか。或いはいきなり一大政党ができるかも知れません。国会議員が倍になったって大したコスト増ではありません。票の重さを是正するという大義名分もあります。似た手法は他国でも採られたことがあります。早く実現できないものでしょうか?
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。