東京ではお彼岸に桜が満開になってしまいました。最も早い記録だそうです。都内には桜の綺麗な所はいっぱいありますが、最近では言問橋の北側、桜橋の辺りの桜がいいと思っています。荷風の墨東奇譚に出てくる土手ですが、目も眩む程に咲き誇っていて、桜にも「お年頃」があるのだということを感じさせられます。桜が「狂おしい」と思い始めたのは安吾の小説を読んでからですが、桜の散るのを見て心がそぞろになるのは平安時代の貴族の間では共通した認識であったようです。
『ことならば咲かずやはあらぬ桜花見る我さへに静心なし』
  (古今和歌集 巻第二 春歌下 紀貫之)
マネックスでは明後日に花見を企画していますがそれまで散らずに残っているでしょうか。