前にも書いたことがありますが、私は電車の中吊り広告が好きです。新聞の下段にある「紙面中吊り」も好きです。インターネットという情報の強弱が付けにくい媒体を見慣れているので、中吊りは字の大きさや形を変えたり、斜めに書いたり、写真を入れたりと、様々な方法で情報の出し手がパースペクティブ(遠近感)を意識的に付けてくるので、それを見るのが楽しみです。
しかし今日の中吊りは良くない。例えば日経新聞企業面の下段は週刊新潮と週刊文春。比較的良識のあるこの2誌ですが、辻本清美氏の秘書給与詐取疑惑、山崎拓氏の夜這い、橋本派と鈴木宗男氏の密約、そして勿論ムネオ氏、云々と。政治家がそれぞれ雑誌社に「あいつを撃て」とプレッシャー掛けたり、タレ込んだりして、それを受けてワイワイ記事を書いたような、そんな印象を今日の中吊りからは感じました。泥仕合の泥をいきなり顔面に投げつけられたような、とでも申しましょうか。(実際の記事はまだ読んでません)
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。