先週の中国株ですが、上海総合指数と深セン総合指数、創業板指数、香港ハンセン指数は揃って続伸となりました。中国本土株は3月20日(金)に中国証券監督管理委員会(CSRC)の広報担当者が中国株の上昇について、改革の深化や豊富な流動性、企業業績の改善の結果であり、理にかなっているとコメントしたことから、当局が株高を是認しているとの認識が広がり、週初から強い展開となりました。さらに3月24日(火)も、3月のHSBC中国製造業景況感指数(速報値)が49.2と、市場平均予想の50.4、2月実績の50.7を共に下回る結果となったことから景気刺激策への期待感が高まる形となったことから続伸。

3月25日(水)は利食い売りに押されて反落となったものの、翌26日(木)には、石油価格の反発があって中国石油(00857)や中国石化(00386)が反発。これが株価を牽引する形で早くも反発。27日(金)も1-2月の中国工業セクター利益(前年同期比)が4.2%減と、2014年12月実績の8.0%減よりは改善したもののマイナス成長が続いたことから再び景気刺激策への期待が高まったことや、中国当局が住宅の宅地供給量を減らす意向があるとの報道を受けて不動産株が上昇したことから強い相場展開が続きました。

一方、香港株市場も中国本土市場の株価上昇を受けて全般的には堅調だったものの、欧米、アジア市場が軟調だったことから上昇幅は限られたものとなりました。中国本土では弱い景気指標が金融緩和・景気刺激策への期待に直結したのですが、香港では欧米、アジア市場が軟調だったことから中国経済への悲観的な見通しにつながってしまいました。今週も4月1日(水)に3月の中国公式製造業景況感指数と3月のHSBC中国製造業景況感指数(確報値)、4月3日(金)に3月のHSBC中国サービス業景況感指数が発表されます。中国本土市場では、先週と同じように弱い指標が発表されて株価が上昇すると予想される一方で、香港市場は欧米やアジアの株式市場がどのように動くかによって、その反応は違ったものとなりそうです。

コラム執筆:戸松信博