エンロンの事件は、その関係者のモラルの問題など驚かされることが多くありますが、事件が発覚してからいろいろなことが壊れて再生していくまでの時間の速さにはいい意味で驚かされます。エンロンは既に多くの人が会社を離れて第二の人生を歩み始めていますし、またいくつかの部署が既に会社から切り離されて、債務などを清算した上で他の会社に引き取られてオペレーションが始まっています。これらの人や部署は瞬く間に再び経済活動を盛んにし、経済社会に貢献するでしょう。このような再生のプロセスがアメリカではとても速く、日本ではとても遅いと言えるでしょう。日本の経済をここまで停滞させた原因は、ファンダメンタルなリソース不足(人とか、金とか、技術とか)ではなく、リソースの最適配分がされなく、再生のプロセスが欠落している所にあるに違いないと思います。構造改革の主眼は、一点その部分に当てられるべきではないでしょうか。