先週の中国株は上海総合指数と深セン総合指数、創業板指数は続伸、香港ハンセン指数は反落となりました。中国本土株は旧正月の連休のため、2月23日(月)と24日(火)は休場となり、3営業日の取引となりました。3月3日(火)には全国政治協商会議、5日(木)には全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開催されます。両会を通じ、改革に対する政府の姿勢がより鮮明となることが期待されることから、改革の恩恵を見込める中小型株が特に強い展開となりました。金融株などの大型株ですが、25日(水)は国家発展改革委員会が銀行による料金徴収の実態調査を行い、制裁金を科したとの報道から軟調なスタートとなりましたが、国務院(内閣に相当)が積極財政の必要性に振れたとの報道によって26日(木)から力強い展開となっています。

一方、香港株は旧正月の連休明けとなり、23日(月)から通常通り取引が再開されました。欧米の株式市場が堅調に推移する中、香港ハンセン指数も堅調な推移が期待されたのですが、ハンセン指数で約12%という最大の構成ウェートを占めるHSBC(00005)が2014年の決算で前年比16%の減益を発表し、相場の足を引っ張りました。HSBCについては顧客の脱税幇助疑惑も生じていることから、ここのところ長らく低迷が続いており、相場の重しになってしまっています。

そして2月28日(土)の夕方に中国人民銀行が2014年11月以来となる利下げを発表しました。1年物貸出金利は0.25ポイント引き下げられて5.35%、1年物預金金利は0.25ポイント引き下げられて2.5%となります(実施は3月1日から)。この利下げ発表に伴い、3月の中国株は大きな上昇が期待できるところだと思います。なお、今後の注目ポイントは3月5日(木)から開催される全国人民代表大会です。ここで中国政府が経済成長率の目標について2014年の目標と同じ7.5%と設定してくるようですと、今後、更なる金融緩和、景気刺激策が期待できるところです。ちなみに2014年の実績GDP成長率は7.4%と、予想を若干下回っています。

経済指標についてですが、先週は2月25日(水)に2月のHSBC中国製造業景況感指数(速報値)が50.1と、1月実績の49.7や市場平均予想49.5を上回る強い結果となりましたが、ほとんど材料視されませんでした。3月1日(日)にも、2月の中国公式製造業景況感指数が49.9と発表され、1月実績の49.8や市場平均予想の49.7を上回りましたが、こちらもあまり材料とはならないでしょう。今後の発表スケジュールですが3月2日(火)に2月のHSBC中国製造業景況感指数(確報値)、3月8日(日)に中国の2月の輸出と輸入が発表になります。

コラム執筆:戸松信博