小泉首相は口ばっかりで実際には何も変わっていないという論調があります。本当にそうでしょうか?私は小泉首相になってからのこの半年間で既に大きく変わったことがあると考えています。それは「変化に対する心の準備」が広く浸透したことです。それは国民、マスコミ、企業、政治家など、とても広い範囲にわたっています。「もうすぐ変化が起きる」、「今度の変革は避けて通れない」、そういった認識がこれだけ広く共有されたことはないのではないでしょうか。そういった心の準備があれば、実際に変化が始まった時に、ブレーキではなくアクセルが踏まれる可能性が高いでしょう。そんな状況の中で、暫くじっと息を潜めていた一部の政治家が、変化に対する抵抗を最近また始めたことは驚きでもあり、残念でもあり、注意深く監視して行く必要があると私は思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。