今の郵便局をどう変えて行くか。2003年に設立する郵政公社の総務省案が明らかになりましたが、これでどこが変わるのだろうと首を傾げてしまいました。特に郵貯の預け入れ限度額を現行の1000万円から引き下げないという案はどうも理解できません。現在行なわれている特殊法人改革は政府がお金をつける先を見直して減らしていこうという考えですが、そもそも郵貯・簡保が350兆円にも上るお金を国民から集めなければお金の行方を心配する必要もありません。また民間の活力により経済を復興させようという時に、限度額を引き下げて行かないというのは明らかに時代に逆行していると思います。郵貯の問題はそのインフラではなくてバランス・シートです。一部納税させるようにするとか、運用の委託先を増やすとか、一部手紙やはがきの取り扱いを民間に開放するとか、そういったことは枝葉末節であり、一政府部(郵貯・簡保)が国民の全金融資産の25%を保有しているという問題の本質を避けて通る現案は甚だ残念です。