東証が今度「第1回マザーズ合同説明会」というものを催します。
マザーズ上場会社6社の代表者が事業展開などを説明する機会を取引所が用意したものです。誰でも参加できること、一日でまとめて話を聞けることなど、中々面白い企画だと思います(弊社も参加します)。
マザーズなどの新興市場の抱えている最大の問題点は、上場後の流動性の低さだと思います。その問題を解決する手段の一つとしていわゆるIR(インベスターズ・リレーションズ)は大変重要であり、今回の東証の企画もその意味で大変有意義なものだと言えるでしょう。しかし私は思うのですが、TOPIXなどの指数にこれら新しい市場の銘柄を組み入れること、或いはこれら新銘柄をも含んだ市場全体の指数(アメリカにおけるウィルシャー5000など)を作ることも考えられるべきではないでしょうか。インデックス運用、或いはインデックスに対する比較で運用成績を決するファンドは今後更に増えて行くでしょうが、新興市場の会社もそれらインデックスに(時価総額加重であっても)入っているだけで、もっと流動性は上がるのではないでしょうか?
上場しやすい仕組みを作ることと、流通市場における流動性を担保する仕組みを作ることは等しく重要なことだと思います。(因みにウィルシャー5000はナスダック銘柄も18.2%含まれており、市場捕捉率は100%、S&P500は捕捉率79%、NYダウの市場捕捉率は26%です)
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。