ダボスで有名な世界経済フォーラムの東アジア・サミット(@香港)に出席しています。パネルでスピーチなどもしたのですが、このような会議に出ていつも思うことは、パネラー、傍聴者、マスコミ、全ての面において日本人の参加が乏しいことです。人数はそうでもないのですが、発言や積極的な参加が極めて限定的です。何も参加することが即ちいいことではないのですが、一世界市民としてもう少し変わってもいいのではないでしょうか。恐らく一番大きな理由は、言葉の問題と議論するルール(プロトコール)に不慣れなことでしょう。このようなコミュニケーションの欠落による損失は、ビジネスでも政治の面でも甚大な筈です。一つ案があります。日本の高校生か大学生を大々的に留学させる制度を作ってはどうでしょか。一人あたり年間200万円掛かるとして、1万人で200億円です。国家予算からしてみれば何でもないでしょう。日本の教育を受けた上で、例えば英語とアメリカ流の議論の仕方に慣れる。そのまま帰らない学生もいるでしょうが、多くはいずれ戻ってくるでしょう。言うなれば日本学生の大放流計画。安くて、かつ少なくともある程度の効果が明らかに期待できる案だと思うのですが。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。