日経平均3318円安、下げ幅は過去3番目の大きさですから今週10月15日(木)の株の下落はなかなかの衝撃でしたが、下落率は4.9%で過去の下落率ランキングの上位20位にも入りません。
ブラックマンデーのあおりを受けて下落した1987年10月20日の下落率は14.9%でしたが、これを今回の相場に当てはめて考えると1万円くらい下げる計算ですね。つまり、日経平均(分母)が大きくなっているので、同じ下落率でも下げ幅が大きくなるのは当然だということですが、これも日本がインフレによる資産上昇局面入りしたことの証左でしょう。
今回のショックは米CPIが再加速したことに加え、米AIクラウド企業コアウィーブの社債が急落、利回りが急上昇したことがトリガーです。膨張するAIデータセンターの設備投資、ハイパースケーラーが発行する社債発行が急増していることが米国債の需給悪化につながり、金利上昇をもたらしているなどと警戒されていましたが、そもそもそのデータセンター投資自体が物価を押し上げているとの指摘もあります。
一つには電気代。米国の電気料金は2025年に6.9%上昇し全体のインフレ率(2.9%)の2倍を超えたとゴールドマンは分析しています。そして何よりメモリ価格の上昇です。データセンター向け需要の急増がもたらすメモリ不足はPCやスマホ価格を押し上げていますが、もう気軽にiPhoneを買い換えられなくなっていますね。
新FRB議長のウォーシュ氏は就任前、AIは生産性を高め米国の競争力を強化することで、大きなディスインフレ要因につながる、つまりインフレを押し下げると主張していましたが、7月の議会証言ではAI投資がインフレ圧力になり得ることにも触れています。
ディスインフレはAIが普及した後の世界の話で、普及の過程ではそのひずみが世界のインフレを増長させ金利上昇をもたらす側面があることが今回示された格好です。AI関連の設備投資~インフレが続くなら資産価格は上昇しますので日経平均の上昇はまだまだ続くでしょう。ただしAI関連投資に起因する米国の金利上昇が全てを破裂させてしまわなければ、ですが。
- 大橋 ひろこ
- フリーアナウンサー
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フリーアナウンサー/ナレーター/個人投資家。福島県出身。アナウンサーとして経済番組を担当したことをきっかけに自身も投資を始め、現在では個別株、インデックス投資、投資信託、FX、商品先物と幅広く投資している。個人投資家目線のインタビューに定評があり、経済講演会ではモデレーターとして活躍する。自身のトレードの記録はブログで赤裸々に公表しておりSNSでの情報発信も人気。一時期は海外映画やドラマの吹き替えなど声優としても活動していたが、現在は経済番組に専念。現在ラジオNIKKEIなどで経済番組レギュラーを多数抱え、キャスターとしても多忙な日々を送っている。
