あのアインシュタイン博士が20世紀最大の発見は?と聞かれた時に、相対性理論と言わずに「複利」と答えた(らしい)のは有名な話です。一般に複利の話をする時は毎年10%で20年間運用したらいくらになるでしょう、というように増加する方向を例に取ります。しかし複利はもちろん減少の方向にも同じように驚くべき発見があります。金融資産の運用を5%のコストを払いながら20年間続けるか(一部の生命保険とかはその部類に入るでしょうか)、0.1%の手数料で続けるか(弊社における株式売買のように)では大きく違います。0.95の20乗は0.36、何と64%も目減りしてしまいます。片や0.999の20乗は0.98、たったの2%しか目減りしません(もちろん実際には税金の効果とかを考えなければいけませんが)。ビックリですね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。