ちょっと前のニュースですが、気になったものにハードディスクの製造技術に関するものがありました。東芝が開発したもので、今迄のノートパソコンに入れるようなサイズで500ギガ、500円玉程度の大きさでも25ギガの記憶容量があるというものです。オプティカル系とか、容量の点でHDの限界を超えるような媒体の開発が進んできましたが、元々ハードディスクは速さでは一番ですからもしこれが本当に実用化されるならば便利さでは一番でしょう。このように古い技術の洗練を進めて新しい技術に事実上(少なくとも一時的には)打ち勝ってしまうようなことは、新技術の発明と等しく価値があり面白いことだと思います。500円玉サイズなら携帯電話にも使えます。日本は既にあるものの性能を更に丹念に磨いていったり、不可能といわれるようなサイズを実現して行くのが得意ですが、そういったところに真のIT化のきっかけがあるかも知れませんね。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。