東京市場まとめ
1.概況
日経平均は737円安の65,668円と反落して取引を開始しました。先週末の米国市場では、ウォーシュFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演がタカ派的との受け止めから、米金利が上昇し、テック株が売られました。中でも主要な半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3.5%安となり、日本市場でも半導体銘柄を中心に売りが優勢となりました。序盤に大きく下落した日経平均は、9時6分に1,573円安の64,832円をつけ、この日の安値を更新しました。
その後は下げ渋る展開で、後場は一段と下げ幅を縮小した日経平均は最終的に93円安の66,311円で大引けとなりました。
TOPIXは9ポイント高の4,156ポイントで8日続伸、新興市場では東証グロース250指数が11ポイント安の812ポイントで3営業日ぶりに反落しました。
2.個別銘柄等
INPEX(1605)は2.1%高の3,957円をつけ、3日続伸となりました。米国とイランの間の緊張が高まる中で、31日午前のニューヨーク先物原油は1バレル85ドル台半ばで上昇しました。これを受けて、同社が採掘する原油関連収益の拡大を期待した買いが優勢となりました。
関西電力(9503)は7.6%高の2,810.5円をつけ、大幅続伸となりました。28日、国内証券が同社の投資判断を3段階で真ん中の「中立」から最上位の「買い」に、目標株価も従来の2,500円から3,100円に引き上げたことが材料視されました。アナリストは、「インフレ環境に応じた電気料金適正化で、一時的に下がっていた収益力は中期的に改善する」と指摘しています。
ソニーフィナンシャルグループ(8729)は4.5%安の158.3円をつけ、反落となりました。30日、日本経済新聞は、同社傘下のソニー生命保険について「元営業社員が顧客から不正に金銭を取得していた問題をめぐり、金融庁が同社への立ち入り検査を検討していることがわかった」と報じ、これによる業績への影響や行政処分への警戒感が売りを呼びました。
カレーハウスCoCo壱番屋を運営する壱番屋(7630)はストップ高水準となる15.9%高の1,091円をつけ、大幅反発となりました。31日、日本経済新聞が「(親会社の)ハウス食品グループ本社(2810)が壱番屋の売却を検討していることが分かった」と報じました。すでに複数の投資ファンドが買収に名乗りを上げているとされ、プレミアムのついた買い付け価格を期待した思惑買いが入りました。
M&A仲介のストライクグループ(6196)は8.0%高の1,458円をつけ、大幅続伸となりました。28日、2026年9月期(今期)の当期純利益が57億円を見込むと発表しました。従来予想の50億円から上振れを見込み、市場予想も上回る業績予想が評価されました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は序盤に大きく売られたものの、後場には下げ幅を縮小し最終的には0.1%安で取引を終えました。一方でTOPIXは8連騰と相場全体では強さがうかがえます。
国内では長期金利が2.9%台半ばまで上昇しており、日米で金利高が意識される局面ですが、今週は週末に予定される米雇用統計が注目されます。米国ではウォーシュFRB議長のタカ派的な発言が注目された中で、雇用動向が金融政策の行方を占う上で重要な局面と言えます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
