市況背景と理論株価を使う狙い
・足元はAI・半導体・データセンター関連が相場を牽引し、決算や設備投資ニュースで値動きが大きい局面が続くため、短期ノイズに左右されない評価軸として理論株価を用いる意義がある。
・業績に対して株価が上げすぎという警戒感の議論は、実体に即した理論株価と実勢株価の比較で判断するのが中核となる。
・PBRは1株当たり純資産という解散価値に基づくが、人的資本・ノウハウ・ブランドなどの無形資産や高い収益力は十分に反映されにくい。理論株価は純資産に超過利益を上乗せして、こうした価値を取り込む。
超過利益モデルの要点
・理論株価は「1株当たり純資産+将来の超過利益の現在価値合計」で算出できる。超過利益はROEと資本コストの差に基づき、差が大きいほど価値が増える。
・直近は今期・来期の業績予想からROEを置き、その後はサステナブル成長率で推移し、長期的にROEは資本コストへ収斂するという前提で各期の超過利益を合算する。
・ROEが高い企業ほど理論株価が高くなりやすく、理論株価が実勢株価を上回るほど割安度が高いと評価できる。
スクリーニング条件と示唆
・対象はTOPIX採用銘柄、条件はROE8%以上かつPBR1倍以上とし、理論株価と実勢株価の比(理論株価倍率)が高い銘柄を上位抽出した。
・上位には陸運など内需系や不動産関連が目立ち、不動産価格上昇の恩恵が見込める銘柄が含まれる一方、業種は分散している。
・中東情勢の緊張に伴う原油高で足元の業績見通しが重い銘柄もあるが、リスク後退時には業績改善余地が生じる可能性がある。割安株は短期物色ではなく時間をかけて向き合う投資対象となる。
