歴史的豪ドル/円上昇が6月に反落した背景は?

高値更新が続いていた豪ドル/円は、115円突破寸前で上昇が一服すると、6月には一時111円台まで反落となった(図表1参照)。豪ドル/円の上昇は、歴史的なクロス円相場の上昇を象徴する動きの1つと言えそうだが、それが6月に反落した背景とは何か。

【図表1】豪ドル/円の月足チャート(2020年~)
出所:マネックストレーダーFX

豪ドル/円の反落の一因は、日豪金利差(豪ドル優位・円劣位)の縮小だろう。日豪金利差は、まさに5月半ば以降、縮小傾向が強まった(図表2参照)。それ以前の両者の関係を参考にすると、金利差縮小により豪ドルがさらに下落、たとえば110円を大きく割れる動きになってもおかしくなかった。

【図表2】豪ドル/円と日豪金利差(2026年1月~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

投機筋も5月半ばを境に豪ドル買いから売りに転換

ヘッジファンドの取引を反映しているCFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋の豪ドル・ポジションは、5月半ばにかけて大幅な買い越し(米ドル売り越し)となっていた。ところが、その後豪ドル買い越しが急ピッチの縮小に向かうと、最近は売り越しに転換した(図表3参照)。

【図表3】CFTC統計の投機筋の豪ドル・ポジション(2022年~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

以上のように見ると、5月半ば以降の豪ドル/円の上昇から下落への転換は、基本的には日豪金利差縮小や投機筋の豪ドル買いから豪ドル売りへの転換と一致していた。ではこのように5月半ばから豪ドルを巡る要因に変化をもたらしたものは何だったか。

5月半ばからの豪ドル巡る要因変化の一因は原油安への転換

5月半ば以降の豪ドル下落(対米ドル)を説明する要因の1つに、イラン戦争終結期待を受けた原油価格の急落があった。代表的な資源国通貨である豪ドルは、イラン戦争を受けた原油価格急騰では基本的に買われ、一方で戦争終結期待などから原油価格が下落に転じると、ほぼそれに連れる形で豪ドル安が広がった(図表4参照)。

【図表4】豪ドル/米ドルとWTI(2026年1月~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

5月半ば以降の豪ドル反落の一因として、米利上げ観測の浮上もあっただろう。原油価格が下落に転じる一方で米利上げ観測が浮上し、そうした中で対米ドルでも豪ドル買いから豪ドル売りに急転換した。さらに豪ドルは対円でも6月に反落に転じたということが基本ではないか。

クロス円の反落と世界的株高転換の関係にも注目

これまで見てきたのは、米金融政策要因以外は、基本的には豪ドル売りに転換した理由だった。ただ豪ドル/円以外のクロス円も、6月は上昇が一巡するケースが少なくなかった。それはナスダック指数などに象徴された世界的株高が反落に転じた影響もあったのではないか(図表5参照)。

【図表5】ユーロ/円とナスダック指数(2025年1月~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

豪ドル/円などクロス円の歴史的な上昇相場は、ついに転換点を迎えたのか、それともまだ続くのか。豪ドル/円など多くのクロス円は、5年MA(移動平均線)のかい離率で見ると、記録的な「上がり過ぎ」が続いている(図表6参照)。その意味では、さらに上がるより、「上がり過ぎ」修正の下落リスクがいつ本格化するかが気になる。その鍵の1つはやはり世界的株高の行方ではないか。

【図表6】豪ドル/円の5年MAかい離率(1990年~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成