【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 51,876.11  ▼44.51 (6/26)
NASDAQ: 25,297.62  ▼60.99 (6/26)

1.概況

26日の米国市場では、ダウ平均とS&P500株価指数、ナスダック総合株価指数、がそろって下落しました。S&P500株価指数構成銘柄の6割超が上昇するなど、投資家の買い意欲がみられました。ただ、人工知能(AI)に対する巨額投資の収益性を巡る懸念が高まったほか、ここ最近の半導体株高を受けて関連銘柄には利益確定の売りも出やすく、主要指数は上値の重い展開となりました。

ダウ平均は51,803ドルで寄り付いた後、持ち直す流れとなり、取引前半にこの日の高値となる52,130ドルを付けました。その後は上げ幅を縮小し、結局、ダウ平均は44ドル安の51,876ドルで取引を終えました。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は60ポイント安の25,297ポイント、S&P500株価指数は3ポイント安の7,354ポイントでともに下落しました。

2.経済指標等

6月の米ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)は49.5と速報値(48.9)から上方修正されました。

3.業種別動向

12日の米国市場でS&P500の業種別株価指数は6業種が上昇、5業種が下落となりました。上昇した業種は、ヘルスケアが3.2%高、一般消費財・サービスは1.6%高、不動産が1.4%高と続きました。一方、資本財・サービスは1.5%安、情報技術が1.0%安、コミュニケーション・サービスは0.6%安と小幅に下落しました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中19銘柄が上昇しました。オープンAIが新規株式公開を2027年に延期する方向で検討していると報じられたことから、AIがソフトウエア企業の脅威になるとの過度な懸念が後退するなか、関連ビジネスを手掛けるマイクロソフト[MSFT]が5.7%高で構成銘柄中の上昇率トップとなったほか、セールスフォース[CRM]は5.5%高、IBMが5.2%高と続きました。ヘルスケアのジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]も4.0%高と堅調でした。一方、11銘柄が下落し、キャタピラー[CAT]が5.6%安、シスコシステムズ[CSCO]は4.4%安、ゴールドマン・サックス[GS]が4.3%安と下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、バイオテクノロジー企業のモデルナ[MRNA]が12.6%高となりました。投資家によるハイテク株からディフェンシブ株へのシフトが追い風になったと指摘する声がありました。また、同社が25日に新たなカテゴリーの医薬品の創出に取り組んでおり、間もなく臨床に入るための準備を進めていると明らかにしたことを好材料視する向きもありました。また、ソフトウエア関連銘柄が買われる展開となるなか、サービスナウ[NOW]は9.9%高、ワークデイ[WDAY]が9.2%高となりました。一方、半導体のオン・セミコンダクター・コーポレーション[ON]は25日に、電子部品のシナプティクスを株式交換によって買収を行うと明らかにしたことから、株式需給を巡る懸念が強まり、23.7%安となりました。

5.為替・金利等

長期金利は、前日比0.02%低い4.37%となりました。29日朝のドル円は161円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

週末にかけて米国とイランによる攻撃の応酬が報じられていましたが、29日の東京時間早朝には、一部メディアによって米国とイランが互いに攻撃を停止することで合意したと伝えられています。30日にカタールで、ホルムズ海峡を巡って協議する見通しともされており、中東における緊張緩和への期待が相場の支えとみられます。

今週は7月2日に6月の米雇用統計が発表される予定となっており、労働市場の堅調さと賃金インフレの抑制が示されるか注目されます。

(マネックス証券 シニアアナリスト 齊藤 聡)