雑誌が大好きです。どちらかというとお堅いものよりも柔らか目の方が好きで、ポスト、現代、フォーカス、何でもあれといった感じです。あたりかまわず本屋に入っては、雑誌が少ないとガッカリし、逆に雑誌が多いと嬉しくなって手当たり次第表紙と目次を見ます。堅いものも、良く読むものも、初めて見るものも、あまり関係ありません。興味を引く記事は斜め読みします。そうするとある雑誌には大きく取り上げられているものが他の雑誌では全く触れられていなかったり、同じ話題でも雑誌によって解釈が随分違っていることに気づき、より正しい状況を推測するのに役立ちます。
またあるテーマに関する雑誌の数の変化(これは頻繁に新刊・廃刊があって案外はやく変わるのですが)を眺めたり、ながく存在している雑誌の紙面のテーマ別割合の変化を知ることによって、氾濫する情報のフォーカスが時の流れによって変わって行く様が手に取るように分かり、それが正しい遠近感をもって情報を再構築するのに役立ちます。現代は容易に情報が入手できる時代ですが、新聞やテレビは情報の出し手の持つ遠近感が強烈に反映されますし、一方インターネット上の情報はほとんど遠近がなく羅列されているので、正しい遠近感を持つ努力は大変重要だと思っています。(雑誌が好きな一番の理由は落ち着きのない性格から来ているとは思いますが・・)
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。