直近の円買い介入の効果と、相場が戻った背景

・4月30日からゴールデンウィークにかけて累計11兆円超の円買い介入が入り、米ドル/円は一時155円割れ近くまで急落した。

・その後の反発は米金利上昇と日米金利差拡大が主因。米長期金利がFF金利を上回る局面となり、原油高の余韻などによるインフレ再燃懸念から利上げ織り込みが強まり、米ドル高・円安が再燃した。

・為替介入の効果は短期的には見えにくいが、160円超へのオーバーシュートを抑えた側面が大きい。為替介入がなければ162円前後まで進んだ可能性があり、160円未満にとどめた効果があった。

今回の為替介入は過去と条件が異なる

・1990年以降のドル円は5年移動平均線から±30%程度のバンド内で循環し、+30%超は円安の循環的限界圏、+40%超は未経験の領域と位置づけられる。

・2022年および2024年の介入は、この限界圏の「行き過ぎ」を活用して円安を一旦止め、最大で20円程度の円高反転を実現した。

・現局面の160円近辺は5年移動平均線からのかい離が限界圏に達しておらず、「行き過ぎ」感が弱い分、日本の単独介入のみで趨勢を反転させるのは難しい。

当局の狙いは水準の変更(150円)と選択肢の拡大

・当局は円安を止めるだけでなく水準を引き下げ、まずは150円を目標に円高方向へ反転させたい意向。長期化した円安マインドの転換を重視する。

・単独介入に加え、日銀6月会合での利上げを円安是正の重要な手段とみなし、原油先物への対応による原油安誘導の準備も進めるなど、政策手段の選択肢を広げている。

・1月23日のレートチェックは米側も関知した形で行い、「160円超の円安は容認せず」という日米の利害一致を示唆。状況に応じて日米協調介入も視野に入れ、好機に乗じて150円到達まで進めば、金利差縮小を背景に自律的な円高へ移行する余地を見込む。