2026年4月10日、政府は暗号資産を金融商品取引法の規制対象とする改正案を閣議決定しました。インサイダー取引の禁止、発行体への情報開示義務、無登録業者への罰則強化などが盛り込まれるとみられており、暗号資産はいよいよ、株式や投資信託と同じ「金融商品」として、金商法の規制の枠組みが適用される方向となります。

このニュースを目にしたとき、私は感慨深い思いを抱きました。

2014年、私は暗号資産の事業で起業しました。当時、ビットコインは「詐欺だ」と言われていました。周囲からは心配され、時には冷笑されることもありました。その状況は数年にわたって続きました。

そもそも当時はまだ法令上も「暗号資産」という呼称は用いられていませんでした。はじめは「価値記録」、やがて「仮想通貨」と呼ばれるようになり、法改正を経て、ようやく「暗号資産」に落ち着きました。名称が変わるたびに、社会の認識も少しずつ変わっていきました。

あれから12年。自分たちが手探りで育ててきた産業が、国の法制度の中で新たな枠組みに位置づけられようとしています。金融商品取引法の適用は、規制の強化であると同時に、社会的な認知が進んだことの表れとも言えます。暗号資産は「怪しいもの」から「投資の選択肢の一つ」へと、ようやくその立ち位置を変えつつあります。

もちろん、課題はまだ多く残っています。規制の実効性、国際的な制度との整合、そして何よりユーザーの信頼をいかに守り続けるか。しかし、この一歩は大きいと感じています。

日本の暗号資産産業は、新たな局面を迎えようとしています。詐欺と呼ばれた時代を知る者として、この日を感慨深く受け止めています。