自分のキャパシティをどう広げるか、成長の天井をどう引き上げるか。その答えを探す中で、「矢印の向き」はとても重要だと感じます。 

顧客や社会など、「価値を届ける相手」を見ている人は、「相手にとって本当に必要なものは何か」を起点に主体的に考えます。一方で、上司や社内評価を強く意識しすぎると、「自分はどう見えるか」が中心になりやすい。意思決定の軸が、「正しいか」より、「褒められるか/怒られないか」に寄ってしまうことがあります。 

もちろん、誰でも評価は気になります。ただ、気をつけないと、本来は課題解決のための「手段」だったものが、いつの間にか「目的」になってしまう。きれいな資料を作ること。イベントを実施すること。立派なメッセージを並べること。どれも必要な場面はあります。でも、ToDoをこなすこと自体が目的になると、「それは誰にどんな価値を届けるのか?」という問いが抜け落ちてしまいます。 

複数の利害関係者が関わるプロジェクトでも同じです。問題が起きたときに、「どう解決するか」より、「自社/自分が悪く見えないか」が先に立つと、会話は途端にぎくしゃくします。逆に、「何がゴールか」を見ている人同士だと、驚くほど建設的に議論が進むことがあります。 

難しいのは、矢印が内向きになっている状態は、本人には見えにくいことです。多くの場合、真面目で、一生懸命仕事をしている。だからこそ、自分では「ちゃんとやっている」と感じています。でも、視線がどこに向いているかで、仕事の質や、周囲に与える印象は大きく変わる気がします。 

昔、ある人材エージェントの方から「清明さんは欲がないですね」と言われたことがあります。「え?!成し遂げたいこと、かなり大きいんですけど……」と思ったのですが、その主語が「私」ではなく、「会社」や「私たち」だから、外からはそう見えたのだと思います。矢印の起点と向きによって、外からの見え方も異なる例かもしれません。 

今日・明日は、スタートアップイベントに参加します。日々、「それは誰に、どんな価値を届けるのか?」を本気で考えながら、外向きの矢印で挑戦している人たちに、たくさん出会えたらいいな、と思っています。