4月6日朝のヘッドラインでは、トランプ米大統領がイランのエネルギー施設攻撃に向けた交渉期限を2回延長し、さらに3回目の延長も示唆していると報じられました。もともと米国とイランの間で実質的な交渉が進んでいるのかは不透明であり、依然として「トランププロレス」的な発言が相場を揺さぶっている印象です。

こうした発言を受け、4月6日朝は株式市場、暗号資産市場ともに強い反発でスタートしました。足元ではこの流れが半ばパターン化しており、3週連続で週末に下落した後、週明け月曜日に上昇してNY市場を迎えるという展開になっています。

今週(4月6日週)も、週半ばにかけて高値を付け、その後反落する流れとなるのでしょうか。直近の相場サイクルを見る限り、週前半は様子見、そして水曜日あたりから売りトレードを再開するという戦略は、比較的、理にかなっているように感じます。中東情勢に関する強弱のヘッドラインが断続的に出る中、市場参加者もある程度この値動きの癖を学習してきており、短期的には同じような値動きが繰り返されやすい地合いと考えています。

BTC(ビットコイン)は週半ばに高値を付ける傾向

BTC/JPY日足チャート分析です(図表1)。足元の相場では、リスクオフ局面になると円安が進み、停戦交渉の進展期待が高まると円高に振れやすい傾向があります。そのため、円建てBTCはドル建てBTCと比較すると、値動きの見え方がやや異なり、相対的にボラティリティが抑えられる場面もみられます。

もっとも、BTCそのものは引き続きリスク資産としての色彩が強く、地政学リスクの緩和期待が出る局面では、素直に上昇で反応している状況です。4月6日も上昇スタートとなり、これで月曜日は3週連続で陽線となる可能性が高まってきました。

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

イラン紛争が始まった当初の週明けこそ、さすがに不安定な値動きとなりましたが、その後1ヶ月以上が経過し、市場が次第にこの状況に慣れてきたこともあってか、足元ではやや単調なリズムが形成されつつあります。

すなわち、月曜に上昇し、水曜あたりで高値を付け、週末に向けて下落するというパターンです。ここ数週間はこの繰り返しとなっており、背景には米株式市場への配慮を意識した政治的発言のコントロールもあるのではないかと推測しています。

テクニカル面では、今週の戻りの目安としてSMA90(水色)を引き続き意識しています。現状では戻り売り戦略を継続したい局面です。MACDは0.00付近での推移が続いており、モメンタムの面でも明確な方向感は出ていません。したがって、トレンド転換を前提に強気へ傾くというよりは、戻りを丁寧に見極めながら売り場を探っていく局面と考えています。

4時間足:並行チャネル上限ラインに到達

BTC/JPYの4時間足チャート分析です(図表2)。価格は並行チャネルレンジの上限に到達しました。仮に、ここからさらに上値を追う展開があったとしても、その余地は限定的ではないかと考えています。加えて、SMA200(橙)にも到達しており、テクニカル的にはいったんの売り場を示唆する形です。

特に1,100万円前後は、複数のテクニカル条件が重なりやすいポイントであり、戻り売りが入りやすい水準とみています。そのため、ここから再び並行チャネルレンジ下限ライン付近まで下落するシナリオをメインに想定しています。

【図表2】BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

もっとも、注意点としては前述の通り、足元では週半ばに戻り高値を付けやすい傾向が出ています。よって、上昇直後に無理に逆張りで売るよりも、高値圏でのもみ合いを確認したうえで、水曜日あたりから売りエントリーを狙っていく方が、より実践的な立ち回りになるかもしれません。短期的な上振れに振り回されず、天井形成の兆候を待つ姿勢が重要でしょう。

ETH(イーサリアム)は下降トレンドラインに到達

ETH/JPYの4時間足チャート分析です(図表3)。ETHは下落トレンドラインにタッチしており、34万円付近が目先の上値抵抗として意識されやすい水準になってきました。BTC同様、あと1~2日ほどは上値を試す展開が続く可能性はあるものの、その後は天井圏でのもみ合いに移行するシナリオを想定しています。

【図表3】ETH/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

もちろん、和平協議に明確かつ実質的な進展が確認されれば話は別です。しかし現状では、米国側から一方的に「協議進展」が示唆される場面が多く、マーケットも次第にこうした発言に対して鈍感になっていく可能性があります。いわば、この繰り返し市場が慣れ始めたとき、相場は改めて現実を織り込みにいくことになるでしょう。

この点で参考になるのが2022年のロシア・ウクライナ戦争時の値動きです。当初株価は報道のヘッドラインに反応しながら上下を繰り返しましたが、開戦から約1ヶ月が経過した頃から、徐々に中期的なリスクオフ相場へと移行していきました。今回も、目先はヘッドライン主導の戻りを挟みつつも、中期的には同様の下落パターンを形成していく可能性が高いと考えています。

今週(4月6日週)のポイント

・トランプ米大統領の交渉期限延長発言を受け、週明けの株式市場・暗号資産市場は反発スタートとなった。
・直近は「週末下落→月曜上昇→週半ばに高値→週末に再下落」という値動きのパターンが繰り返されている。
・BTC/JPY日足ではSMA90が戻りの目安となっており、MACDも中立圏で方向感に乏しいため、基本戦略は戻り売り継続と考える。
・BTC/JPY4時間足では並行チャネル上限、SMA200、1,100万円前後が重なるため、テクニカル的には売り場になりやすい。
・ETH/JPY4時間足では下降トレンドラインに到達しており、34万円前後が上値抵抗として意識されやすい。
・和平協議に実質的な進展がなければ、市場は報道のヘッドラインに一喜一憂せずに2022年型の中期的リスクオフ相場へ移行する可能性がある。