昨日より、バンガード・トータル・ストック・マーケット・インデックス・ファンドの販売を開始しました。
本来であればもっと早くバンガードのSP500インデックス・ファンドの販売をする予定だったのですが、バンガード社とSPの親会社であるマグロウヒル社間の訴訟の影響を受けて、代わりにトータル・ストック・インデックス・ファンドをまず初めに販売致します。これはSP500インデックス・ファンドよりも更に広いマーケットを対象にしたインデックス・ファンドで、いずれその下に主要株中心であるSP500インデックス・ファンドや、既に販売中のスモール・キャップ・インデックス・ファンドなど、いくつかのサブ・ファンドを取り揃えて行きたいと考えています。インデックス・ファンドの意義や利点については私が2週間前に米国バンガード本社でインデックス運用の責任者であるガス・ソーター氏と対談した記録が今晩中にもHPでアップされる予定なのでそちらを御覧頂くとして、今日はバンガード本社のインデックス運用トレーディング室について一言。
恐らく20兆円ぐらいのお金をインデックス運用している筈なのですが、その本丸はたったの100平米にも満たない小さな小さな部屋でした。きちんと整理されて、ガラス窓で隔離されたその部屋には、ニュースなどを伝えるスクリーンの類いも大してなく、5、6人のトレーダーが静かに働いているだけでした。投資とは、情報とは、コストとは。そういったことをひっそりと教えてくれる部屋でした。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。