2026年の日経平均は8月ごろにピークをつける展開を想定
2026年の日経平均は1月頃まで上昇が続く可能性があり、3月まで調整、4月の値固めから再び上昇基調となり、8月頃にピークをつけるとみています。高値水準は59,000円±2,000円、TOPIXは3,900ポイント±200ポイントを想定しています。株価上昇のカタリストは、米ドル高・円安への動きが強い背景になるのではないでしょうか。
一方、夏場にピークといっても大天井ではなく、再び上値を試す方向感を想定しています。長い目で見た場合、息の長い上昇相場の途中であるという認識です。個別株を見渡すと、それほど上がっていない銘柄は多くあります。いわば、2025年は疑心暗鬼の中で成長性のある企業だけがピックアップされて買われている状況にありました。
バブル崩壊後の「失われた30年」から脱した2025年
TOPIXが史上最高値をつけたことは、バブル崩壊後の「失われた30年」から脱したという大きな意味合いがあります。今後の相場を考える際にはPER(株価収益率)など株価水準に対する目線を引き上げていくべきだと思います。
時価総額トップのトヨタ自動車(7203)がまだ最高値を更新できていない点は、それだけ全体の上昇余地は大きいことを示唆しているのではないでしょうか。今後は、出遅れている自動車・自動車部品、機械・精密など設備投資関連の主力企業において、業績改善効果が寄与すると見込んでいます。
2024年に最高値を更新したものの、2025年に入ってからはその水準を更新できていない銘柄が、自動車や電機関連を中心に多く見られます。好業績銘柄だけではなく、減益予想でも業績の上振れが期待できる銘柄は押さえておきたいところです。
今後の物色対象としては、医療機器関連に加え、EV(電気自動車)充電設備に関連する銘柄なども、長期目線で注目して損はないでしょう。EVへの関心がやや低くなっているタイミングではありますが、むしろこれから重要なテーマになっていくと予想しています。
2026年は外需優位のトレンドになる可能性が高まる
2015年9月以降の相場を振り返ると、外需優位→内需優位→外需優位と交互に循環しており、現在は2021年12月以降、内需優位が約3年間続いてきましたが、2026年は外需優位のトレンドになる可能性が高まっています。「フィジカルAI」というテーマや、直近のトヨタ自動車の株価上昇は、外需優位へ移行する兆候であり、すでに外需買いは始まっているかもしれません。
西暦末尾が「5」の年の日経平均は戦後負けなしの成績であり、2025年もそうなりそうです。一方で、相場格言の「辰巳天井、午尻下がり」は、過去の事例からも十分念頭に置いておく必要があります。
ただ、市場参加者や専門家による2026年のトレンドや予測水準が強気の方向に一致してきた点には留意が必要です。2025年後半の強い上昇相場が予測の根拠になっていると思われますが、大勢の見方や予測が一致する水準(衆目の一致する所)は当たらないことが多い、ともいわれています。
