東京市場まとめ

1.概況

前日の米国市場は主要3指数が揃って続伸し、その流れを引き継いだ日経平均は78円高の49,942円で続伸して寄付きました。前場は堅調な推移となった日経平均は半導体関連銘柄やロボット関連などがけん引し、右肩上がりでの推移となり731円高の50,596円で前引けとなりました。

後場も基調は変わらず、一貫して上昇する展開となりました。一日を通して、上昇した日経平均は大引けでも上げ幅を拡大し、1,163円高の51,028円をつけ高値引け、3日続伸で取引を終えました。TOPIXは63ポイント高の3,398ポイントで反発、史上最高値更新となりました。

新興市場では東証グロース250指数が4ポイント高の665ポイントで反発となりました。

2.個別銘柄等

ファナック(6954)は一時13.6%高の5,987円をつけ年初来高値を更新しました。「米政府はロボティクス分野に関する大統領令を来年発出することを検討している」と伝わり、3日の米株式市場ではロボット関連株が上昇し、日本市場でもロボット関連の銘柄に買いが入りました。

住友商事(8053)は一時4.8%高の5,044円をつけ上場来高値を更新しました。市場では、循環物色の一環でバリュー(割安)株を見直す流れが続くなか、商社株を買う動きが根強くあり、総合商社の中期的な成長力を評価した買いが改めて入りました。

内田洋行(8057)は9.5%安の9,880円をつけ大幅続落となりました。3日発表した2026年7月期の第1四半期決算は、純利益が前年同期比92.1%増の23億円と、好業績だったものの、期待を上回る内容ではなかったとの受けとめで、目先の材料出尽くしとの見方から売りが出ました。

南海電気鉄道(9044)は2.2%安の2,807円をつけ4日続落となりました。3日、外資系証券が同社の投資判断を3段階で最上位の「オーバーウエート(買い)」から真ん中の「ニュートラル(中立)」に、目標株価は従来の2,900円から3,100円に引き上げましたが、株価は前週に年初来高値を更新していたとあって、利益確定売りが出ました。

ドローンシステムのブルーイノベーション(5597)は9.3%高の1,605円をつけ続伸となりました。3日、台湾のドローンメーカーとブランドライセンス契約を正式に締結したと発表し、海外でのドローン事業拡大への期待から買いが入りました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は2.3%高の51,028円をつけ、3日続伸となりました。TOPIXも1.9%高と相場全体で上昇がみられる1日となりました。米国では、追加利下げ観測の高まりが株高につながっており、その主な要因となる労働市場の動向に注目が集まります。

明日に向けて、米国の労働関連指標で、先週一週間の新規失業保険申請件数や11月のチャレンジャー人員削減数の発表が予定されており、その内容に注目です。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)