2024年=11月半ばから最大6円の反落へ
2024年の米ドル/円は、11月半ばにかけて上昇した。米大統領選挙でのトランプ氏の勝利に反応した結果と考えられた。ただし、そうした米ドル/円の上昇は、11月半ばで一巡し、その後は12月初めにかけてほぼ一本調子の下落に向かった(図表1参照)。この間の米ドル/円の最大下落幅は約6円に達した。
【図表1】米ドル/円の日足チャート(2024年9~12月)
出所:マネックストレーダーFX
2023年=11月半ばから年末までに最大10円以上の下落
11月半ばから米ドル/円が一段安に向かったのは2023年も同じだった。2023年の米ドル/円は11月半ばに151円で上昇一巡となると、その後は年末にかけて140円割れ近くまで、最大で10円以上の米ドル安・円高が起こった(図表2参照)。
【図表2】米ドル/円の日足チャート(2023年10~12月)
出所:マネックストレーダーFX
2022年=12月の「日銀ショック」もあり円高へ急転換
2022年は、10月にかけて日本の通貨当局による米ドル売り介入などを受けて、すでに11月前半にかけて米ドル/円は急落していた。ただし、12月の日銀の金融政策決定会合を受けた「日銀ショック」などの影響もあり、結果的には年末までに130円割れ寸前まで一段の米ドル安・円高となった(図表3参照)。
【図表3】米ドル/円の日足チャート(2022年10~12月)
出所:マネックストレーダーFX
米ドル高・円安の転換、主因はポジション調整か
以上のように見ると、2022年以降、11月半ばから大きく米ドル安・円高へ動くことが続いたことが分かるだろう。その主因は、円売りポジションの年末にかけての損益確定だったのではないか。そうした中で、2022年以降の11月半ば~12月末の米ドル/円の最大下落幅は、6~10円程度に達した。
足下でも、10月以降のいわゆる「高市円安」により、為替市場では米ドル買い・円売りポジションに傾斜している可能性が高いのではないか。そのポジション修正が、年末にかけて過去3年のように6~10円程度の米ドル安・円高をもたらすなら、米ドル/円は年内に少なくとも150円割れ、場合によっては140円台半ば前後まで米ドル安・円高に向かうという見通しになりそうだ。
