先週、B Dash Camp 2025 Fall in Fukuoka に参加してきました。
B Dash Campは、スタートアップの創業者や投資家、経営者が集まり、業界の最新トレンドやビジネスの未来について議論を交わすカンファレンスイベントです。福岡で開催された今回のイベントでは、スタートアップの創業者や投資家の方々と、さまざまな議論を交わすことができました。
今回、特に強く感じたのは、ポストインターネット時代の「カオス」が本格的に始まったということです。AI時代の本格到来により、既存産業の全面的な置き換えが進行しています。また、東証グロース市場の上場維持基準が「上場10年後に時価総額40億円以上」から「5年後に100億円以上」に今後引き上げられることやインターネット企業の株価低迷を受けて、選別が進んでいる印象を受けました。
さらに、2030年から2040年は「選別から変革の10年」になるというのが、参加者の間でのコンセンサスでした。この期間に市場から資金調達ができない企業は、業態転換を迫られることになるでしょう。ディープテック、新産業、AI活用による新しいインターネット構造、そして伝統産業のロールアップ(再編)が、今後の方向性になるとの見方が共有されていました。
現在は、いわば「踊り場」の状況にあります。生成AIスタートアップが多数誕生しているものの、まだ市場は混沌としています。一方で、SaaS企業はAI化によって巻き返しを始めています。宇宙産業は1巡目の波が終わり、2~3巡目で停滞している状況です。日本の半導体チップベンチャーも限界が見えつつあります。
M&Aや投資の動向も変化しています。のれんの会計処理の日本と国際基準の違いがM&Aのハードルになっているといういわゆる「のれん問題」の解決が進むことで、来年から再来年にかけてM&Aが活発化する可能性があるとの予測もされています。今後は、SuperShip型の合従連衡よりも、一社ごとのテーマ性を重視した買収が主流になると見られます。
私自身、このようなイベントに参加することで、業界の最新トレンドや温度感を肌で感じることができると考えています。特に、リアルタイムで起業家や投資家の方々と直接対話できる機会は、オンラインでは得られない価値があります。今後もこうしたイベントに積極的に参加し、業界の変化を敏感にキャッチアップしていきたいと思います。
- 大塚 雄介
- コインチェック株式会社 執行役員CBDO
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早稲田大学大学院修了、物理学修士号取得。株式会社ネクスウェイでB2B向けITソリューションの営業・事業戦略・開発設計を担当。レジュプレス株式会社に参画(2017年4月よりコインチェック株式会社に社名変更)。2014年2月に取締役に就任。2018年4月にコインチェック株式会社がマネックスグループ株式会社の子会社となると同時に執行役員に就任し、マーケティング・事業開発などを統括。2021年4月執行役員を経て、2023年9月より執行役員web3Cloud事業本部長。組込型の暗号資産購入サービス「Coincheck OnRamp」をはじめとするweb3Cloud事業を管掌。2024年9月より執行役員CBDOに就任。 *CBDO(Chief Business Development Officer):最高事業開発責任者
